いきなり結論ですが、作業指示で最も大切な情報は“目的(達成したいゴール)”です。
作業指示は手順よりも「何をどう達成すれば完了とするのか」を明確にすることが大切です。
人は指示通りに動いてくれない
これまでに、こういった経験はありませんか?
- 作業指示を出したのに期待した結果が得られない。
- かと言って細かく指示を出す余裕はない。
- どうしてやって欲しい事を分かってくれないのか?
作業指示(マニュアル)を示して「この通りにやっておいて」というのは簡単ですが、マニュアル通りの結果にすらならないことも往々にしてあります(そもそもマニュアルが整備されていないことも…)。
しかし、目的(達成したいゴール)さえはっきりしていれば、例えマニュアルがなくとも期待結果を得られる可能性は飛躍的に高まります。
相手の成果を嘆く前に、自身の指示が適切だったか確認しましょう。
あなたのゴールを相手は知らない
そもそも、作業指示だけでは「何をするか」は分かりますが「何のためにするか」は分かりません。つまり、相手は「あなたが何をして欲しいか」が分からないのです。
あなたの期待する成果がどれくらいのものなのか、相手は分かりませんし、ゴールを伝えずにただ作業指示だけ出した場合は、期待通りにならない可能性の方が高いです。
あなたが考えるゴールを具体的に共有する
では、どうすれば良いか。とても簡単です。
ゴールを伝えてあげれば良いのです。
・・・
と言っても、それが出来れば苦労してないですよね。
ゴールを伝えるにはどうすれば良いか、説明します。要点は以下の通り。
- 相手の立場に立って考える
- 何も知らない人だと思って説明する
- 抽象的な言葉を排除する
- 達成レベルを明確にしておく
相手の立場に立って考える
あなたが同じ指示を受けて、期待した結果を出せるのか?を基準とするだけです。
出せるのであれば、特に問題ありません。出せないのであれば、説明が足りません。
出せると思っていたけれど、出なかったのであれば、認識に誤りがあります。
相手のレベルを見誤ったか、あなたの思い込みがあったか、でしょう。
あなたと相手は他人で知識量も違えば考え方も違う、ということを肝に銘じましょう。
何も知らない人だと思って説明する
「これくらい知っているだろう」と思って説明を省いた結果、認識違いが起きていることはよくあります。
もちろん、丁寧すぎる説明は不要ですが、両者の認識に誤りが生まれやすい箇所や少しでも不安が残る場合は認識を合わせるようにしましょう。
指示の際の数分間が手戻りの数時間を削減(リスクヘッジ)してくれると思えば、やらない理由はありません。
抽象的な言葉を排除する
この問題はどこでも非常に多いです。
長年一緒に働いており「阿吽の呼吸で仕事ができる仲」とかなら問題ないでしょうが、そんな楽なことはそうそうありません。
抽象的な言葉こそ認識違いを生み出します。
しかも抽象的な言葉は大きく見れば正しいことが多いため、会話が成立してしまい、認識違いしていることに気付けない場合が往々にしてあります。
ふたを開けてみたら全然違うものになっていた、などよく聞く話です。
指示の出し手は指示の受け取り方が複数にならないよう明確にすること。
受け手は指示の受け取り方が複数ある場合、どれでも良いのか一意に定まるのかを確認するようにしましょう。
認識の齟齬は双方に責任があると考えるべきです(とはいえ、指示する人の責務でもある)。
達成レベルを明確にしておく
達成レベルを明確にしておきましょう。
ゴールの共有とも似ていますが、「80点の出来で十分」なのか「100点取るまで繰り返す」のか、など成果の達成レベルを明示・共有しておきましょう。
これにより力の入れ方が変わりますし、無駄を省くことができます。
正直、仕事において何でも100点を目指すなんてことはありません。ただ、「100点を目指さない」とも言われないため、全力投球し続けているのも事実です。100点を求めないなら「求めない」とはっきりと告げておくことで余裕が生まれます。
結論:作業指示は目的(ゴール)を共有することが大切
受け手もゴールを意識して作業することで、作業の要否判断や手順の改善が可能になります。
昔は何も言わずに「技術を盗め」なんてこともありましたが、今は時代が違います。
技術は教えるものであり、教える手間も学ぶ手間も最小限であるべきです。
そのためにも作業指示は的確に出して、確実に無駄なく成果が上げられる環境を整えましょう。
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